リハーサルが始まりました。トラヴェルソの相川郁子さんとデュオを組んで、3回めの演奏会。 初リハーサルは、1年ぶりにまた一緒に演奏ができる喜びと、お互いの成長が嬉しく、楽しく進みました。 今回は、新たな試みとして、 「クラシック音楽って別に普段聴かない」 「古楽、なにそれ?古いの?」 「バロック音楽ってバッハ、ヴィヴァルディくらいしか知らない」 「フランスの宮廷って優雅そうだけど音楽はよく知らない」 「暑いし、お菓子食べながら涼みたい」 「仕事帰りに貴族気分を味わって息抜きしたい」 …という方々に、超★破格(採算度外視!)でフランスのバロック音楽入門コンサートを開催します! 演奏者の息遣いが聴こえるくらい小さなサロンで、楽しいお話、オランダのお菓子、ドリンク付き、1時間だけの公演です。 出てくる楽器はチラシの絵画のような楽器。優雅で甘美、優しい音の楽器によるデュオです。音が想像できない方はぜひお越しください。 敷居が高いと思われがちな(全然そうじゃないけど)クラシック音楽の、更に奥地にある「古楽」。 でも、もっと多くの方に気軽に親しんでもらいたいのです。 気楽に聴ける音楽や、共感できるお話もたくさんあります。 今回は、今も昔も変わらない!?「人生」をテーマに、貴族の「愛」「失恋」「鳥、動物、自然」「戦い」「ダンス」など、貴族の生活をのぞいてみたいと思います。 演奏者への質問、楽器の写真撮影などもOK! お子さまの夏休みの宿題にも、インスタ映えもばっちり。 未就学児童さんも歓迎です。 7月27日(木)、16時からと20時から、同じ内容の公演を2回開催します。 ++++++ ★アンサンブル・イレーヌ★ 相川郁子(トラヴェルソ)・上田朝子(テオルボ) ★曲目★ F. クープラン: 恋するうぐいす オトテール: 組曲第4番より『旅立ち』のサラバンド ランベール: 楽しもう、甘い安らぎを ボワモルティエ: 組曲 ホ短調 など ★入場料★ ・一般1000円 ・18歳以下500円 ・ペアチケット1500円 いずれもお茶お菓子付き ・未就学児童無料 (ほかのお客様へのご配慮をお願い致します) ★お問い合わせ・ご予約★ asakofiev1953@gmail.com (上田) ★パンダサロン★ 京王線上北沢駅徒歩4分 東京都杉並区下高井戸1-40-14 ☆フランスのバロック音楽にすでに親しんでいる方々は、8月6日(日)のコンサートへどうぞ! こちらは演奏たっぷりめの、2時間弱の公演です。 +++ 8月6日(日) 16時〜18時 “人生ってこんなもの?” パンダサロンにて ★曲目★ オトテール: 『エールとブリュネット集』より ボワモルティエ:組曲第1番 ホ短調 … Continue reading フランスのバロック音楽入門コンサート
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夏の一時帰国!
もうすぐ日本に帰ります!コンサートをします!!!まだまだ途中経過的ではありますが、少しパワーアップした演奏を聴いていただけたら嬉しいです! ・7月14日(金)19:00- えびらホール 西洋中世古楽会×古楽アンサンブル「プティ・ヴィオロン」合同発表会 ・7月19日(水)12:00-12:40 多摩区総合庁舎1階アトリウム 「第55回たまアトリウムコンサートアトリウムコンサート初登場!古楽器の世界を味わいつくす」 http://www.kawasakionline.jp/news/detail.cfm?news=88307 ・7月27日(木)16:00-17:00&20:00-21:00(同内容2回公演) アンサンブル・イレーヌ フランスのバロック音楽入門コンサートVOL. 1 “人生ってこんなもの?” パンダサロンにて https://www.facebook.com/events/1173552862750202/ ・8月6日(木)16:00-18:00 アンサンブル・イレーヌ “人生ってこんなもの?” パンダサロンにて https://www.facebook.com/events/1838957056421180/ ・8月18日 (金) 18:30- 盛岡市民文化小ホール La musica collana 盛岡公演 https://www.facebook.com/events/1094193367352970/ ・8月23日(水) 19:00-台東区生涯センターミレニアムホール La musica collana 東京公演 https://www.facebook.com/events/614470038750538/ ・8月24日(木) 15:00-&19:00- @近江楽堂 『シルセー』フレンチカンタータの時代の音楽 愛は、魔法で取り戻せるか? https://www.facebook.com/events/1917209368557837/ フェイスブックのイベントページへのばかりで、FBをやってない方、申し訳ございません。 また後日こちらに詳細を載せます。
リサイタル終演!
このあいだの土日は、リサイタルと送別会、とっても幸せな2日間でした! ★土曜日はリサイタル。 初めてのソロ&通奏低音リサイタル、「リュートで『飾る』&『支える』」でした! あまり実感がなく、楽しくバタバタしてるうちに終わったので何から書いたら良いのかわからないけど、大成功だね!とみんなに言ってもらえて、良かったです! 今回は、「飾る」と「支える」の二本立てのプログラムで、「飾る」では1時間のプログラムでルネサンスリュートとテオルボのソロを、「支える」では6人もの(!)ゲストの方に出演していただき、2時間でリュートで伴奏するあらゆる形を考えてプログラムを組みました。 「飾る」では60人、「支える」では77人のお客さまにご来場いただきました! お客さまの温かい雰囲気が会場に入った時から伝わり、なんだか緊張もしなくて、集中できて楽しく演奏できたのが、本当に嬉しかったです。 実はソロを弾くのはずっとあまり気が進まなかったのですが、リサイタル開かないの?と励ましてくださったり、いろんなコンサートで少しすつ弾いているうちに段々と好きになってきました! そして本番ではソロも楽しくて、これからまた頑張っていきたいと思いました! 今回、プログラムを考えているうちに取り組みたい作曲家がたくさんでてきて、それだけでも大きな収穫でした。 もっと自由にプログラムを組めるように、どんな曲でも良い音楽ができるように、安定したテクニックを身につけていきたいです。 リュートの通奏低音のスペシャリストになる!という目標があるので、通奏低音もリサイタルに加えたかったのですが、「支える」の方では、通奏低音のみならず、中世のテノルにはじまり、タブラチュアで書いてある伴奏3曲(イングランド、イタリア、フランスの3地域からそれぞれ1曲ずつ)、通奏低音とタブラチュアと両方書いてあるもの、通奏低音とギターのアルファベートが書いてあるもの、そしてリュートを想定しているわけではない普通の通奏低音、とジャンル分けして構成しました。 「支える」でのゲストの方々は、私が今まで出会ってとても刺激を受けた方々で、最後にまたその方々とのひとつの集大成を作ってお聴かせすることができて嬉しかったです。 「支える」というテーマでしたが、精神的にも音楽的にも、そして対訳作成などの準備もゲストの方々に助けていただいて、支えていただいて、コンサートを実現することができました。 ゲストの方々の演奏、みんな本当に素晴らしくて本番はとても幸せでした!!!特等席で聴ける上に一緒にアンサンブルしてる、しかも私の大好きな曲を!!(笑)。 本当はもっともっとたくさんの方々と一緒に演奏したかったのですが、日程やオーガナイズの限界などの都合でお呼びできない方も多く、残念でした。。 また、こんな大規模なリサイタルを開催するにあたり、日本リュート協会さまにご協賛いただきました。このご協賛なしには実現できなかったので、本当に感謝しております。 MCの準備不足でちょっとテンパってしまったのと、しかも教会の反響で席によっては聴こえなくなってしまったのが反省点です>< 聴こえなかった方々、申し訳ございませんでした>< ★そして日曜日は送別会を開いていただきました! (朝早く起きてゆったりすごして選挙に行って) ↓ 日の出桟橋から水上バスに乗って浅草へ!!! ↓ 浅草の隅田川や街の見渡せるすごく眺めの良いレストラン22階貸切! ↓ 地上にサプライズの横断幕! ↓ 隅田川そばのおしゃれカフェ貸切! ↓ 終電まで居酒屋 と、贅沢コースで、たくさんの人にお祝いいただいて、プレゼントももらって、いろんな人とお話できて、夢のような1日を過ごしました>< こんなにたくさんの人に応援していただけるなんて、本当に感激で留学先でも一層頑張りたいと思いました>< 先生方、友人、親、聴きに来てくださる方たち…本当に周りの人たちにとても恵まれていて、支えてもらっているのをいつも以上に実感した2日間でした。 本当に本当に、感謝しています。 出発まであと1ヶ月半ほど、出演するコンサートは5つ! 留学準備とともに頑張ります!
すべては愛
今週末のコンサートです! 歌の乙顔有希さんと出会ったのは2年前、信州での講習会「アーリーミュージック村」でした。 その時、事務の方に「ダウランドのリュートソングを誰かとやってみたいのですが…」と電話で相談したらそれからすぐまた電話がかかってきて、「今、ダウランドのリュートソング誰かと歌いたいって人が!」と!!!そんな運命的な(?!)出会いを果たし、乙顔さんの歌に衝撃を受けて、いつか一緒にやっても迷惑かけないくらい、一緒に音楽ができるくらい上手になりたいと思って2年…!やっと一緒にコンサートを開催することになりました! 今回は、2人が大大大好きな16,17世紀イングランドの、ダウランドとパーセルというちょっと時代の違う2人の作曲家を演奏します。 同じ英語の歌でも、時代の違いが面白いです。 「すべては愛」と、ちょっと恥ずかしい公演名ですが、恋愛の「愛」だけではなく、様々な愛について考えて演奏します(笑)。 でも途中はやっぱりちょっと女子会の恋愛トークみたいになりそうです(笑)。 大好きな人と、大好きな曲を演奏できる喜びは、もうリハーサルから始まっています!! 今週末でこのプログラムに取り組めるのも終わりかと思うと、とても寂しい。。 当日の会場は、個人の亡くなった方のお宅が住宅遺産として綺麗に管理されているところです。 自宅のようにくつろぎながら、リラックスしてお聴きいただきたいと思っています。 曲についてのお話も挟んで、普段こういう音楽を聴かない方にも聴いていただきたいコンサートです! (ダウランドとパーセル、それぞれ違う難しさでリュート奏者にはヘビーなプログラムですが頑張ります!笑) === 「すべては愛」 7月24日(日)14時開演 伊藤邸(自由が丘駅徒歩8分) 完全予約制、チケットご購入のお客様にのみ所在地をお知らせ致します。 「イギリスの16,17世紀を代表する作曲家 J.Dowland と H.Purcell 数百年の時を越え、心に響くもの。それは「愛」ゆえの悲しみ、喜び、絶望、希望、苦しみ… いくつもの愛が織りなす物語」 ★曲目 ジョン・ダウランド: Can she excuse my wrongs? 彼女は弁解できるのか? In darkness let me dwell 暗闇の中に棲まわせて I saw my lady weep あの人が泣いているのを見た ヘンリー・パーセル: O solitude 孤独 Sweeter than roses ばらよりも甘い Music for a … Continue reading すべては愛
留学とリサイタル
【留学とリサイタルのお知らせ】今年9月より、オランダ、ハーグ王立音楽院のリュート科に在籍することになりました。 何年間行くかは未定ですが、2年以上は、と考えています。 この頃は演奏のお誘いを受けたり、自分で演奏会を企画することが多く、本番の機会に恵まれていたのですが、きちんと落ち着いて修行しないでこのままずるずる演奏活動を続けていくことに危機感を覚え、留学することに決めました。 ヴァイオリン科を卒業してから、作曲科に行ったり、バロックヴァイオリン科に行ったり、いろいろ寄り道をしたように思っていましたが、今となってはすべて無駄ではなくとても良い勉強ができたと思います。 4つ目の専攻になりますが、これが最終地点だと信じつつ(笑)また良い勉強ができるように頑張ってきます。 帰ってきて、また一緒に演奏したり、聴いていただければ幸いです。 また、その記念と言ってはちょっと恥ずかしいのですが、7月9日(土)にリサイタルを開催することになりました。 ソロの演奏に加え、私が特に力を入れて勉強したアンサンブルも聴いていただきたく思います。 テオルボを買って始めてから2年半、素晴らしい共演者に恵まれ、幸せな演奏活動を続けることができました。彼ら/彼女らと作り上げる一つの集大成、そして私が大好きな彼ら/彼女らの素晴らしい演奏を多くの方に聴いていただきたいです(今回は日程などの都合でお呼びできなかった方も多く、残念です…)。 留学が決まるまで、ご指導くださった先生方、支援をしてくれた両親、支えてくれた友人たち、共演してくださった方々、そして演奏を聴いてくださった方々にとても感謝しております。 フリーランスとして活動して1年と少し、多くの方に聴いていただいたこと、本当に有難く嬉しかったです。演奏会に何度も足を運んでいただいた方も多く、少し甘えてしまったかなとも思っています…。演奏会の後には暖かいご感想もいただき、とても励みになりました。 リサイタルの後も、出発ギリギリまでいくつか演奏会があります。 日本でまだまだやりたいことがあって、一緒に演奏しようよ!と言っていた人も多くこのようなことになってしまいましたが、精一杯頑張りたいと思います。 またいつか、必ず成長して帰ってくるので、その時はまたよろしくお願い致します。 ===== 公演名:リュートで『飾る』&『支える』 日時: 2016年7月9日 (土) 会場: 淀橋教会小原聖堂 (新大久保駅) 13:00-14:00 リュート、テオルボソロリサイタル「飾る」 14:30-16:30 通奏低音リサイタル「支える」 (14:00-14:30 お茶、お菓子など召し上がっていただけます、無料) チケット代: 飾る 2000円 支える 2500円 (通し券 4000円) 特別ゲスト(「支える」にて助演): 相川郁子(フラウト・トラヴェルソ) 菅沼起一(リコーダー) 大塚照道(リコーダー) 鏑木綾(ソプラノ) 小林恵(ソプラノ) 山下裕賀(メゾ・ソプラノ) 曲目: 「飾る」 V. Capirola: De tous biens plaine (Ghizeghem) G. M. da Crema: Lasciar … Continue reading 留学とリサイタル
微音トリオ
間近の宣伝になってしまいました…。 今週の日曜日です!ポシェット・ヴァイオリン、クラヴィコード、ルネサンス・リュートによる、世界で一番(たぶん)ちいさな音のトリオ。そんな3人で「おどり」をテーマに、躍動感あふれるダンスの曲をやります。キャパ40ほどの、ちいさな空間で耳を澄ましてお楽しみください。 ルネサンス、バロックの定番の踊りはもちろん、バーンスタイン、バルトークなど近現代の踊りの曲もやります!古楽を普段聴かない方にもとってもオススメ! 微音トリオとは… ポシェット・ヴァイオリン、クラヴィコード、ルネサンス・リュートという、 普段は「音が小さい!」といわれる楽器によるトリオ。 「音は小さくても大きな躍動感、幅広い表現力」をコンセプトに結成。今回がデビュー公演となる。 ポシェット・ヴァイオリンは、本来は舞踏のレッスン用に使われた楽器であり 演奏会用ではないが、旅行者が道中の楽しみに携帯する楽器としても好まれた。 クラヴィコードは、当時から人気だった音が小さい鍵盤楽器として知られているが、 打鍵し発音した後に音を揺らすことができるため、独特な表現力を持つ。 ルネサンス・リュートはこのトリオでは一番音が大きい。普段「聴こえない」と言われがちな楽器だが…。繊細な和音の表現を得意とする楽器。 音が大きいことが良いとされる昨今、音の小ささ、そしてその中での表現力の豊かさを追求します! === 微音トリオ6月5日(日) 14時〜、18時〜 2回公演同一プログラム おどり @えびらホール プライベートホールのため完全予約制 前売りのみ、全席自由 3000円 出演:出口実祈(ポシェット・ヴァイオリン)、西野晟一朗(クラヴィコード)、上田朝子(ルネサンス・リュート)
ぼくおも2
5月15日(日)に、私と菅沼起一くん(リコーダー/音楽学)の企画するコンサート、 「僕たちは古楽と現代音楽の対話を通して『数』と『トランス』という壮大な命題に想いを捧げる。」(通称:ぼくおも2)があります! 中世〜ルネサンス、少し17世紀、そして現代音楽!を、古楽器で、同じコンセプトのもとに演奏しようという演奏会です。 前回は、実験的な演奏会だったので「前衛」というテーマで割と幅広く演奏できそうな曲を集めたのですが、今回は「数」「トランス」という2つのテーマに絞り、それに関連した曲を演奏します。 昼公演(14時開演)が「数」、夜公演(17時開演)が「トランス」を扱います。 このコンサートシリーズ、選曲がなかなか大変です…。というのも、現代音楽は古楽と違って、その曲の編成を変えることができません。著作権がある曲はもちろん演奏する旨の申請をしますが、このような特殊な古楽器アンサンブルで演奏できる曲はとても限られてしまいます。 「数」、「トランス」とテーマを絞りましたが、かなり拡大解釈している部分もあり、どちらかというとその拡大解釈っぷりを楽しみに聴いていただけたら幸いです。 また、現代音楽のコンサートならやっぱり新曲初演でしょ!ということで、今回は、向井響くんに新作を委嘱しました。リコーダー×2、バロックヴァイオリン、バロックヴィオラ、バロックチェロ、そしてテオルボのために書かれた新曲、とっても「ぼくおも」っぽくて素敵です。 そして、特別ゲストとして、私が一度聴いてからずっと憧れていたソプラノ歌手の佐藤裕希恵さんをお招きします!古楽の前はミュージカルもされてたという佐藤裕希恵さん、演技力や迫力がものすごい!今回はいわゆる「マッド・ソング」という、17世紀イングランドの狂乱した歌や、裕希恵さんがよく歌われている15世紀の歌をやるのでとっても楽しみです! チラシデザインは前回に続き私がやってみたのですが、コンサート自体が今までにないようなものを目指しているので、チラシもそれに見合うくらいのインパクトが必要なので、美術なんてど素人の私には大変でした…(笑)。 表と裏の背景には「マンデルブロ集合」という、自作のフラクタル図形の一種を使っています。数学には疎いのでよくわからないのですが、マンデルブロ集合は色分けもその数式によって決まり、その結果サイケな図形ができるので、「数」と「トランス」を調停しているデザインにふさわしいと思い、採用しました。マンデルブロ集合の画像を作るのは簡単で、フリーソフトを使って、基本の図形をどんどん拡大、移動し、まるで宇宙の中をさまよっているかのように探検していきます。そして好きな風景ができたら画像化! マンデルブロ集合ポストカードを作って売るのが私の夢です。 さて、チラシのデザインの話に戻ると、表面ではこのマンデルブロ集合の画像の上に黒く塗りつぶしたレイヤーを載せ、それを文字の形にくり抜きました。 中世の例えばアイソリズムの繰り返しや現代音楽で数が使われている作品は、パッと聴いただけでは隠されている数がわかりません。それをイメージしてみました。 また、今回は終演後に懇親会を開催致します。テリー・ライリーの「in C」をみんなで演奏してみよう!という企画もあります。皆さま是非楽器を持って遊びに来てください。 今回のプログラムは、中世、ルネサンスの曲が多くを占めます。ぼくおもメンバーは普段からこのレパートリーに触れて慣れているわけではないので、3月末には合宿を行いました! 音楽的な向上はもちろん、なんだかメンバー全員がお互いのことをよく知って呼吸が合いやすくなった気がします。 前回よりはるかにレベルアップした「ぼくおも2」、ぜひ聴きに来てください! ====== 僕たちは古楽と現代音楽の対話を通して「数」と「トランス」という壮大な命題に想いを捧げる。 5/15(日) 昼夜2回別プログラム 「数」14時開演 「トランス」17時開演 えびらホールにて 終演後、懇親会あり!テリー・ライリー「in C」をみんなで演奏しよう!軽食、飲み物付き。 各回券3000円 通し券5500円 懇親会2000円 リコーダー: 菅沼起一/大塚照道 中世フィドル/ヴァイオリン: 出口実祈/高岸卓人 チェロ: 小林奏太 中世フィドル/リュート/ヴィオラ: 上田朝子 ソプラノ(特別ゲスト): 佐藤裕希恵 委嘱新作: 向井響 2015年7月に開催された演奏会 「僕たちは古楽と現代音楽の対話を通して『前衛』という茫漠とした主題について思いを馳せる。 (通称:ぼくおも)」。 古楽における極度に複雑なリズムや半音階を用いた楽曲、 20世紀のミニマル・ミュージックなどを古楽器による演奏で紹介した演奏会は その斬新なコンセプトとプログラミングが高く評価された。 そして2016年、「ぼくおも」は新しいコンセプト、 … Continue reading ぼくおも2
プティ・ヴィオロン麗しのグラン・モテ
コンサートのお知らせです。 私が所属しているフランスバロック専門!古楽アンサンブル「プティ・ヴィオロン」の演奏会です。 2014年11月に旗揚げ公演として、同世代の古楽の学生でパーセルのオペラ「ダイドーとエネアス」を上演しました。 学生だけで公演をするのは様々な困難がありましたが、その苦労や楽しみはある種青春と言っても過言ではなく(笑)、とても良い思い出になりました。 そして昨年2月にはバロックダンスとコラボということで、ガンプラやリュリなどの、ダンス、歌、器楽の総合芸術といえるオペラ・バレを上演。 それから1年経って、今度はフランスの宗教音楽を、残響7秒(!!)という、東京カテドラル聖マリア大聖堂で演奏致します。 今回は、独唱や合唱に第一線で活躍中のベテランの方々を迎え、(私含め)メンバーの一部は卒業して学生ではなくなり、もはや学生アンサンブルとは言えなくなっています。成長したメンバーと再会するのがとても楽しみです。 リュリが開拓し、定型化したフランスの当時のオーケストラや合唱は、全部で5声のパートに分かれます。 各パートには、上からDessus(デュシゥ)、 Haute-contre(オートコントル)、Taille(ターユ)、Quinte(クヮント)、Basse(バス)と、フランス独自の名前がついています。 現代では、ヴァイオリンがDessusを、Haute-contre、Taille、Quinteをヴィオラが、Basseをチェロが担当することがほとんどですが、当時は実はヴァイオリンやヴィオラと呼ばれる楽器ではなく、Dessus de violon、Haute-contre de violon、Taille de violon、Quinte de violon、Basse de violonとそれぞれ違う種類の楽器がありました。 とはいえこれらは実際には、ほとんどいわゆるヴァイオリンやヴィオラと同じ楽器なのですが、パートによってそれぞれ微妙にサイズが違います。今回の公演では、日本ではまだとても珍しいHaute-contre de violonを使用します!少し小さめのヴィオラといった感じでしょうか。 この5声のオーケストラは、通常の4声のバロック・オーケストラより内声が厚く、それはそれは重厚な響きがします! それを是非体感して頂きたいです!ちなみにスコアはこんな感じ。 各パート、全て音部記号が違いますね! 一番上、Dessusのパートは、普通のト音記号に見えますが、よくよく見ると一番下の線がGを示すト音記号です。これは、「フレンチヴァイオリン記号」とか「フレンチ・クレフ」と呼ばれる記号で、フランスのフラウト・トラヴェルソやヴァイオリンの作品にも登場します。 内声3つは、ハ音記号ですが、Haute-contreは一番下の線がC、Tailleは下から2番目の線がC、Quinteは真ん中の線がCです。 Basseは普通のバスのヘ音記号と一緒ですね。 通奏低音は、 どのパートが何の音を弾いているのか完全に把握している必要があるので、これを縦に瞬時に読むのは少し大変です。 プティ・ヴィオロンでは基本的に当時の楽譜を使うので、この楽譜が配布されるとまたプティ・ヴィオロンのシーズンが来たなぁと身が引き締まります。 この弦楽器に加え、適宜バロック・オーボエ、リコーダーが、そしてバスにはバロック・ファゴットが加わります。 独唱、合唱、器楽がこれだけ揃って(しかも東京一大きなカトリックの大聖堂で!)演奏会をするのは、私たち演奏者にとってもとてもスペシャルな機会です! ぜひ多くの方に聴いて頂きたいです! ====== 古楽アンサンブル「プティ・ヴィオロン」 麗しのグラン・モテ 〜フランス・バロックの宗教曲〜 2016/03/15(火) 19:30 開演(19:00 開場) 東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂 「江戸川橋駅」(出口1a)より徒歩15分 JR山手線目白駅より(都営バス 白61系統 “新宿駅西口行き”) JR山手線新宿駅より(都営バス 白61系統 “練馬車庫前行き”) ※どちらも「ホテル椿山荘東京前」下車徒歩1分 アンリ・デュ・モン グラン・モテ「わが魂よ、主を讃えよ」 … Continue reading プティ・ヴィオロン麗しのグラン・モテ
フラウト・トラヴェルソとデュオ
直前の宣伝になってしまいました…。 フラウト・トラヴェルソの相川郁子さんと、二人で結成した「アンサンブル・イレーヌ」結成コンサートをします! 演奏するのは、全てフランスのバロックのフルートと通奏低音のために書かれた作品です。 フランスのフルートの作品の本当に最初期の作品もあります。 当時、通奏低音は楽器の指定がないことが多くこの作品たちもチェンバロとガンバとテオルボ、あるいはチェンバロだけ、ガンバだけ、などなど様々な組み合わせで演奏されていたと思うのですが、今回はテオルボ一本で通奏低音します! (今回やる曲の中には実はガンバパートなど、楽器の指定のある曲もあるのですが…一人で頑張ります!) テオルボ一本で通奏低音、バスのラインを豊かに歌いつつ、和音を弾きつつ、メロディを入れつつ…と、とても大変で根気のいる作業なのですがフルートと二人で対等に、親密に音楽を作っていけるのでとてもやり甲斐があります。 テオルボ一本だけで通奏低音をすることは、現代では少し珍しいかもしれませんが、私はライフワークにしていきたいです。 今回、フルートはオトテールのモデルのものを使います! オリジナルのコピーになるのですが、ピッチはなんとA=388です! A=440のだいたい半音下がA=415、そのだいたい半音下がA=392になるのですが、それよりもちょっと低いピッチです! テオルボはこのために弦を張り替えることになるのですが、最初に相川さんのこのオトテールのフルートを聴いた時、面倒でもこっちの楽器とやってみたい!と思うくらい、フランスの音楽を吹くのにぴったりな魅力的な楽器でした。 音の膨らみが豊かで、陰影のレンジが広くて、柔らかくて…。 テオルボも、太い弦に張り替えてみると、とても深い響きがして心地良いです! フルートとテオルボは実は得意な調が一緒で調によってのカラーが変わりやすく、また音量のバランスもちょうど良く、お互い無理をしなくて済みます。とても仲が良い楽器です! このコンサートは、昨年11月に学下珈琲で行った演奏会と同じプログラムです。 前回の公演は限定15席という限られた席数ですぐ満員になってしまったため、再度同じプログラムで開催することになりました。 前回もご好評頂きましたが、更にレベルアップしています!前回来てくださった方がなんとまたご予約くださって、とても嬉しいです! 留学する前、デュオ・コンサートという形でこの二人で演奏するのはこれで最後になるかもしれません…。 足をお運び頂けると嬉しいです。 === 2月28日(日)阿佐ヶ谷「うつわとcafe ひねもすのたり」にて アンサンブル・イレーヌ「フランス フルート黎明期の音楽」 Ensemble Irèneアンサンブル・イレーヌ 相川 郁子 Ikuko Aikawa フラウト・トラヴェルソ 上田 朝子 Asako Ueda テオルボ 14時開演と18時開演、同一プログラム 昼はほぼ満席(あと1、2名でギリギリ)、夜はまだ少しお席があります! 《会場》 器とcafe ひねもすのたり 杉並区阿佐谷北1-3-6(JR中央線・総武線 阿佐ヶ谷駅より徒歩3分) 《プログラム》 J.M. オトテール フルートと通奏低音のための曲集 第1巻 Op. 2より 組曲第3番 ト長調, 組曲第4番 ホ短調, フルート独奏のための“エコー” R. d. ヴィゼー … Continue reading フラウト・トラヴェルソとデュオ
聖夜に響くノエルの歌声 ~きっと、あなたもバロックを好きになる~
今度のコンサートは、古楽を普段あまり聴かない方にも楽しんで頂けるプログラムです! 曲目はモンテヴェルディやヘンデルなど名曲揃い! また、古楽器で演奏するために私がアレンジしたクリスマス・メドレーもあります! 私はバロック・ヴァイオリンとテオルボを演奏します。 大ベテランのチェンバロ奏者、野澤知子さんとの通奏低音は、とても刺激的で勉強になるし、いろんな古楽オケで大活躍中の同世代バロック・ヴァイオリニスト、高岸卓人くんとのデュオもとても楽しいです! そして、イケメン(!)カウンターテナーの村松稔之くんのヘンデルは当時のカストラートを思い起こすし、鏑木綾さんのニンファの嘆きもなんだか儚い感じがして泣けます。 コンチェルト・ソット・ラルベロの皆さんは、安定したハーモニー、息のあったアンサンブル、美声で素晴らしい! とってもオススメのコンサートです。 豪華な編成で一緒にクリスマス気分を楽しみましょう! === 《聖夜に響くノエルの歌声 ~きっと、あなたもバロックを好きになる~》 2015年12月16日(水)19時 東京オペラシティ3F近江楽堂 前売:3,000円 当日:3,500円 出演:カウンターテナー 村松稔之、ソプラノ 鏑木綾、テオルボ&バロック・ヴァイオリン 上田朝子、バロック・ヴァイオリン 高岸卓人、チェンバロ 野澤知子 スペシャルゲスト:コンチェルト・ソット・ラルベロ(中村康紀、鈴木秀和、目黒知史、山本悠尋) 演奏曲: ★C.Monteverdi モンテヴェルディ Chiome d'oro Zefiro torna Sinfonia〜Tempro la cetra La mento della Ninfa ★G.F.Handel ヘンデル Mi palpita il core ★S.Molinaro モリナーロ Hodie christus natus est ★M.Ucellini ウッチェリーニ La Bergamasca ノエルの歌声特別版♪ バロック・アレンジのクリスマスソングメドレー … Continue reading 聖夜に響くノエルの歌声 ~きっと、あなたもバロックを好きになる~
古楽器による17世紀イタリアン・バロックの風と嵐
最近はバロック・ヴァイオリンは弾かないのー?と聞かれることもあるのですが、ちゃんと弾いています! バロック・ヴァイオリンを弾くのも大好きです。 今度の12月7日のコンサートでは、がっつり弾きます。しかも私の大好きな17世紀イタリア! なんだかんだいって、どの時代もどの地域も好きなのですが、バロック・ヴァイオリンを弾くのは17世紀イタリアが好きです!豊かな音を伸び伸び出せる気がします。 というわけで、コンサートのお知らせです。 バロック・ヴァイオリンでトリオのセカンドを、テオルボで通奏低音、テオルボ一本だけのソロ、バロック・ギターではなんとギターと通奏低音の曲のギターパートを弾きます! バロック・ギターは、一本だけのソロの曲が多く、また通奏低音として使うことも多いのですが、バロック・ギターと通奏低音のための曲はちょっと珍しいのです!今回は、西垣さんに通奏低音として少し大型のバロック・ギターを弾いて頂くので、ギターデュオのようになります!掛け合いもあって面白い! ヴァイオリンのソロと通奏低音のための曲は、ヴァイオリン+西垣さんの大型バロック・ギター(通奏低音)と私のテオルボ(通奏低音)で演奏します。通奏低音はギターとテオルボ、という編成にするのも珍しいかもしれませんね! というわけで、今回のプログラムを編成でまとめると ヴァイオリンソロ+通奏低音(ギター、テオルボ) ヴァイオリン+ヴァイオリン+通奏低音(ギター) ギター+通奏低音(ギター) テオルボソロ と、3人だけでもかなり多様!すごい! 今回のプログラムは、1613年の最初期の素朴なヴァイオリン・ソナタから、1669年の、もうだいぶ「初期臭さ」がなくなるあたりまで、こんな編成で挑戦します! 17世紀イタリアのヴァイオリンの音楽ってどんなのだろう?と思われたらぜひ聴きにいらしてください!初めて聴かれる方が普通に思い浮かべる「イタリアのバロック音楽」とはだいぶ違うと思います。素朴?過激?叙情?など、いろんな曲を用意しています! トリオ・ファンタスティコは、一昨年の調布音楽祭を機に結成。17世紀イタリアの音楽を、バロック・ヴァイオリン、バロック・ギターなどで演奏します。 一昨年の録音はこちら。 === 2015年12月7日(月曜日)19時開演 「古楽器による17世紀 イタリアン・バロックの風」 Atelier Fermata Salon Concert Series Vol.3 演奏:トリオ・ファンタスティコ 佐藤駿太(バロックヴァイオリン) 上田朝子(バロックヴァイオリン/テオルボ/バロック・ギター) 西垣林太郎(バロックギター) Marini, Fontana, Uccellini, Pandolfi, Legrenzi, etc... 於:早稲田奉仕園スコットホールギャラリー 〒169-8616 東京都新宿区西早稲田2-3-1 アクセス 前売り:2,000円 当日:2,500円 チケットご予約フォーム↓
トラヴェルソとデュオコンサート終演
昨日は、フラウト・トラヴェルソの相川郁子さんと二人で、オール・フランスバロックのコンサートをしてきました! 実は、器楽のソナタを一人でテオルボ一本で通奏低音するのがとても好きで、特にフランスバロックはそれが活きる気がして、ライフワークにしたいと思っています。 半ば意地のようなものもあるし、そんなに苦労してやらなくても他の楽器を入れればいいじゃないとも言われるのですが、やっぱり旋律とサシで、隣で一緒に、時には鬩ぎ合って音楽を作るのはとても楽しいです。 トラヴェルソは音のシェイプが綺麗につくし、郁子さんは噛めば噛むほど味が出るようなとってもふくよかで色彩に富む音色だったので、それと対等にどう弾くか、大きな課題でした。 ただでさえバスと和音を弾くだけでも大変なのですが、それだけで終わってしまうと、テオルボ一本でやる意義があまりないので、バスのアーティキュレーションのつけ方や音のシェイプのつけ方を追究しました。 今回は15席というとっても親密な空間で演奏できたのも貴重な体験でした。 会場によってテンポや弾き方も変わると思うのですが、今回は特にそれを意識して、このような場でないとできない表現を目指してみました! トラヴェルソもリュートも、繊細な方にレンジが広げやすい楽器だと思うので、こういう会場でそれを探求できたのも良かったです! 私のテオルボは、実はフランスの様式のソロ用の小さめのテオルボなのでこういうものに適しているなぁと嬉しく思いました。 また一段とテオルボが好きになりました。 また、今回は郁子さんがオトテールのモデルのトラヴェルソを吹きたい!とのことで、ピッチはA=388に! テオルボも太めの弦に張り替えてピッチを変えてみたら響きが全然変わって、とても好みでした。ずっとこのピッチにしていたい…。 本番は、なんだかとにかく楽しくて、やはり好きな曲を、ずっとやりたかった編成でできた喜びが大きかったです! お客さまと近い距離で、もっと緊張するかと思ったけれど、とても暖かい雰囲気で聴いてくださったので心地よく演奏できました。 今回のようなフランスバロックの小さい編成の曲は、現代でコンサートホールで2時間のコンサートとして聴くような音楽ではなく、きっと王様や貴族たちが集まって聴いたと思うので、近いことができたかなぁと思います。 今度は蝋燭の灯りだけで演奏してみたい! 今回、譜面台ではなく机に楽譜を置いて演奏したのは、譜面台を忘れたからではなく、絵画でよく見る雰囲気を真似したかったからです!(笑)。 今回は限定15席という会場で、来られなかったお客さまも多かったので、また2月末に再演することにしました! 本当に私のライフワークの一つにしたい演奏の形なので、また聴いて頂きたいです。詳細が決まり次第お知らせさせて頂きます! …と、バロック時代のフランスの音楽を楽しんでいた翌朝に、パリでの事件を知ってとてもショックです…。