ぼくおも2

5月15日(日)に、私と菅沼起一くん(リコーダー/音楽学)の企画するコンサート、
「僕たちは古楽と現代音楽の対話を通して『数』と『トランス』という壮大な命題に想いを捧げる。」(通称:ぼくおも2)があります!
中世〜ルネサンス、少し17世紀、そして現代音楽!を、古楽器で、同じコンセプトのもとに演奏しようという演奏会です。
前回は、実験的な演奏会だったので「前衛」というテーマで割と幅広く演奏できそうな曲を集めたのですが、今回は「数」「トランス」という2つのテーマに絞り、それに関連した曲を演奏します。
昼公演(14時開演)が「数」、夜公演(17時開演)が「トランス」を扱います。


このコンサートシリーズ、選曲がなかなか大変です…。というのも、現代音楽は古楽と違って、その曲の編成を変えることができません。著作権がある曲はもちろん演奏する旨の申請をしますが、このような特殊な古楽器アンサンブルで演奏できる曲はとても限られてしまいます。
「数」、「トランス」とテーマを絞りましたが、かなり拡大解釈している部分もあり、どちらかというとその拡大解釈っぷりを楽しみに聴いていただけたら幸いです。

 

また、現代音楽のコンサートならやっぱり新曲初演でしょ!ということで、今回は、向井響くんに新作を委嘱しました。リコーダー×2、バロックヴァイオリン、バロックヴィオラ、バロックチェロ、そしてテオルボのために書かれた新曲、とっても「ぼくおも」っぽくて素敵です。

そして、特別ゲストとして、私が一度聴いてからずっと憧れていたソプラノ歌手の佐藤裕希恵さんをお招きします!古楽の前はミュージカルもされてたという佐藤裕希恵さん、演技力や迫力がものすごい!今回はいわゆる「マッド・ソング」という、17世紀イングランドの狂乱した歌や、裕希恵さんがよく歌われている15世紀の歌をやるのでとっても楽しみです!

 

チラシデザインは前回に続き私がやってみたのですが、コンサート自体が今までにないようなものを目指しているので、チラシもそれに見合うくらいのインパクトが必要なので、美術なんてど素人の私には大変でした…(笑)。

表と裏の背景には「マンデルブロ集合」という、自作のフラクタル図形の一種を使っています。数学には疎いのでよくわからないのですが、マンデルブロ集合は色分けもその数式によって決まり、その結果サイケな図形ができるので、「数」と「トランス」を調停しているデザインにふさわしいと思い、採用しました。マンデルブロ集合の画像を作るのは簡単で、フリーソフトを使って、基本の図形をどんどん拡大、移動し、まるで宇宙の中をさまよっているかのように探検していきます。そして好きな風景ができたら画像化!
マンデルブロ集合ポストカードを作って売るのが私の夢です。
さて、チラシのデザインの話に戻ると、表面ではこのマンデルブロ集合の画像の上に黒く塗りつぶしたレイヤーを載せ、それを文字の形にくり抜きました。
中世の例えばアイソリズムの繰り返しや現代音楽で数が使われている作品は、パッと聴いただけでは隠されている数がわかりません。それをイメージしてみました。

 

また、今回は終演後に懇親会を開催致します。テリー・ライリーの「in C」をみんなで演奏してみよう!という企画もあります。皆さま是非楽器を持って遊びに来てください。

 

今回のプログラムは、中世、ルネサンスの曲が多くを占めます。ぼくおもメンバーは普段からこのレパートリーに触れて慣れているわけではないので、3月末には合宿を行いました!
音楽的な向上はもちろん、なんだかメンバー全員がお互いのことをよく知って呼吸が合いやすくなった気がします。

前回よりはるかにレベルアップした「ぼくおも2」、ぜひ聴きに来てください!

 

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僕たちは古楽と現代音楽の対話を通して「数」と「トランス」という壮大な命題に想いを捧げる。
5/15(日)
昼夜2回別プログラム
「数」14時開演
「トランス」17時開演
えびらホールにて
終演後、懇親会あり!テリー・ライリー「in C」をみんなで演奏しよう!軽食、飲み物付き。
各回券3000円
通し券5500円
懇親会2000円

リコーダー: 菅沼起一/大塚照道
中世フィドル/ヴァイオリン: 出口実祈/高岸卓人
チェロ: 小林奏太
中世フィドル/リュート/ヴィオラ: 上田朝子
ソプラノ(特別ゲスト): 佐藤裕希恵

委嘱新作: 向井響

2015年7月に開催された演奏会
「僕たちは古楽と現代音楽の対話を通して『前衛』という茫漠とした主題について思いを馳せる。
(通称:ぼくおも)」。
古楽における極度に複雑なリズムや半音階を用いた楽曲、
20世紀のミニマル・ミュージックなどを古楽器による演奏で紹介した演奏会は
その斬新なコンセプトとプログラミングが高く評価された。
そして2016年、「ぼくおも」は新しいコンセプト、
「音楽における『数』、『トランス』」
を掲げ、向井響(第84回日本音楽コンクール作曲部門第一位)の委嘱新作、
特別ゲスト佐藤裕希恵(ソプラノ、国際古楽コンクール山梨第1位)と共に新しいフェーズに突入する。