直前の宣伝になってしまいました…。
フラウト・トラヴェルソの相川郁子さんと、二人で結成した「アンサンブル・イレーヌ」結成コンサートをします!
演奏するのは、全てフランスのバロックのフルートと通奏低音のために書かれた作品です。
フランスのフルートの作品の本当に最初期の作品もあります。
当時、通奏低音は楽器の指定がないことが多くこの作品たちもチェンバロとガンバとテオルボ、あるいはチェンバロだけ、ガンバだけ、などなど様々な組み合わせで演奏されていたと思うのですが、今回はテオルボ一本で通奏低音します!
(今回やる曲の中には実はガンバパートなど、楽器の指定のある曲もあるのですが…一人で頑張ります!)
テオルボ一本で通奏低音、バスのラインを豊かに歌いつつ、和音を弾きつつ、メロディを入れつつ…と、とても大変で根気のいる作業なのですがフルートと二人で対等に、親密に音楽を作っていけるのでとてもやり甲斐があります。
テオルボ一本だけで通奏低音をすることは、現代では少し珍しいかもしれませんが、私はライフワークにしていきたいです。
今回、フルートはオトテールのモデルのものを使います!
オリジナルのコピーになるのですが、ピッチはなんとA=388です!
A=440のだいたい半音下がA=415、そのだいたい半音下がA=392になるのですが、それよりもちょっと低いピッチです!
テオルボはこのために弦を張り替えることになるのですが、最初に相川さんのこのオトテールのフルートを聴いた時、面倒でもこっちの楽器とやってみたい!と思うくらい、フランスの音楽を吹くのにぴったりな魅力的な楽器でした。
音の膨らみが豊かで、陰影のレンジが広くて、柔らかくて…。
テオルボも、太い弦に張り替えてみると、とても深い響きがして心地良いです!
フルートとテオルボは実は得意な調が一緒で調によってのカラーが変わりやすく、また音量のバランスもちょうど良く、お互い無理をしなくて済みます。とても仲が良い楽器です!
このコンサートは、昨年11月に学下珈琲で行った演奏会と同じプログラムです。
前回の公演は限定15席という限られた席数ですぐ満員になってしまったため、再度同じプログラムで開催することになりました。
前回もご好評頂きましたが、更にレベルアップしています!前回来てくださった方がなんとまたご予約くださって、とても嬉しいです!
留学する前、デュオ・コンサートという形でこの二人で演奏するのはこれで最後になるかもしれません…。
足をお運び頂けると嬉しいです。
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2月28日(日)阿佐ヶ谷「うつわとcafe ひねもすのたり」にて
アンサンブル・イレーヌ「フランス フルート黎明期の音楽」
Ensemble Irèneアンサンブル・イレーヌ
相川 郁子 Ikuko Aikawa フラウト・トラヴェルソ
上田 朝子 Asako Ueda テオルボ
14時開演と18時開演、同一プログラム
昼はほぼ満席(あと1、2名でギリギリ)、夜はまだ少しお席があります!
《会場》
器とcafe ひねもすのたり 杉並区阿佐谷北1-3-6(JR中央線・総武線 阿佐ヶ谷駅より徒歩3分)
《プログラム》
J.M. オトテール
フルートと通奏低音のための曲集 第1巻 Op. 2より
組曲第3番 ト長調, 組曲第4番 ホ短調,
フルート独奏のための“エコー”
R. d. ヴィゼー
リュートとテオルボのための曲集より
M. P. d. モンテクレール
フルートのためのコンセール第2番 ハ短調より
《入場料》
3,000円(ワンドリンク付き: お茶かコーヒーをお選びいただけます。)
太陽王ルイ14世時代末期のフランスでは、バロック・タイプのフルート(フラウト・トラヴェルソ)が新しい楽器として現れて、その甘いやわらかな音が王侯貴族に好まれ流行しました。またテオルボも、通奏低音楽器としてはもちろん、ソロ楽器としてももてはやされました。ルイ14世は眠れない時、枕元にギター/テオルボ奏者を呼んで演奏させたとも言われています。
当時の王や貴族の館では、親しい人たちが部屋に集まって、食事等の傍らフルートやテオルボの奏でる音楽に耳を傾けたことでしょう。その親密な音楽空間を現代によみがえらせるようなコンサートです。
トラヴェルソとテオルボ。ひそやかで優しい音の2つの楽器による、たったふたりの小さなアンサンブルですが、そこにはオーケストラにも負けない広がりがあるはず。その可能性を追求しようと結成されたアンサンブル・イレーヌの演奏を、お楽しみください。