僕たちは古楽と現代音楽の対話を通して「前衛」という茫漠とした主題について思いを馳せる。

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笹塚BLUE-T現代音楽バトンコンサート
僕たちは古楽と現代音楽の対話を通して「前衛」という茫漠とした主題について思いを馳せる。
7月3日(金)19時開演
笹塚BLUE-Tにて
軽食付き2000円

現代音楽が大好きで古楽を学んでいる私達が古楽器で古楽と現代音楽をやります!
1年ぶりに渾身の自主企画です!様々な狙いを持った新しい試みをする公演で…と、そんな難しいことは置いておいても本当に素晴らしい曲ばかりなので、多くの方に聴いて頂きたいです。

★演奏者:
リコーダー…菅沼起一/大塚照道
バロック・ヴァイオリン/中世フィドル…高岸卓人/出口実祈
バロック・チェロ…小林奏太
リュート/バロック・ヴィオラ…上田朝子

★曲目:
作曲者不詳:ホケトゥス(『バンベルク写本』より、13世紀)
ボード・コルディエ:コンパスを使って私は書かれた(14世紀)
クリストファー・タイ:しっかり座って(17世紀)
ジローラモ・フレスコバルディ:クレド後の半音階的リチェルカーレ(『音楽の花束』より、1635年)
カルロ・ジェズアルド:ああ、僕はもう死んでしまうかもしれない

近藤譲:スタンディング―発音原理の異なる不特定3楽器のための― (1973)
カールハインツ・シュトックハウゼン:七つの日より (1968)
ジョン・ケージ:4つのパートによる弦楽四重奏 (1950)より抜粋
フィリップ・グラス:弦楽四重奏曲第2番「カンパニー」(1983)
カールハインツ・シュトックハウゼン:ティアクライス(1974/75)より抜粋

…など

チケット取扱&お問い合わせ:asakofiev1953@gmail.com

 

「公演に寄せて

この企画は、以前も演奏会を開催させて頂いた笹塚BLUE-Tさんから、ぜひまたうちで現代音楽のコンサートを、しかもこれから続く現代音楽バトンコンサートの第一回目を、と言って頂けたことにより実現しました。

現代音楽のコンサートと聞いてまず思い起こしたのは、自分が今のめり込んでいる古楽をともに学んでいる仲間にも現代音楽が好きな人たちがいることでした。

彼らと何かできないか、どうせなら古楽と絡められないかと考え、そこで、古楽(特に中世やルネサンスの音楽)を演奏・研究していて、且つ現代音楽にも造詣が深い菅沼起一さんに協力を仰ぎ、共同企画となりました。

こ のコンサートの狙いは4つあります。1つ目は古楽と現代音楽の橋渡しをして、古楽ファン、現代音楽ファン両方に興味を持ってもらうこと、2つ目は古楽器で の新たな可能性、既存のレパートリーから逸脱することで自分たちの楽器の更なる表現の可能性を探ること、3つ目は時間を隔てたこの二つの時代に何か特有の 共通点を見出し、それで得た刺激を自分たちの古楽、現代音楽、双方の表現に持ち込んでみること、そして4つ目が「前衛」について考えることです。

音 楽が、時が進むにつれて変わっていったことには「新しいものを求める」ということが少なからず関わっていたと思います。その「新しいもの」がどういうもの を指したかは、その時その場所その人たちによって違うでしょうし、必ずしも「新しいもの」だけを求めたわけでは当然なく、表現したいという欲求や使命感か ら結果的に「新しいもの」が生まれていったということも多かったのでしょう。

また、当時にとって「新しかった」とは何か、についても考える必要があります。当時の流行をそのまま取り入れたものは果たして「新しい」と言えるのでしょうか?「新しさ」は歓迎されたのでしょうか?

今回のプログラムには、当時「新しかった」ものだけでなく、「今から見て新しく感じるもの」や、数十年前に作曲されたにも関わらず、今私たちが生きている『現代』からするともはや「古典」となってしまった作品もあります。

編成の都合により完璧とは言えないプログラムですが、数百年の時を隔てて様々な技法で作られたこの素晴らしい作品たちを並べて聴いて楽しむことで、皆様と一緒に古楽と現代音楽の対話を通して「前衛」という茫漠とした主題について思いを馳せることができたら幸いです。
上田朝子」

FBイベントページ:(リハーサル風景など随時アップ中!)
https://www.facebook.com/events/827658603982011/