コンサートのお知らせです。
私が所属しているフランスバロック専門!古楽アンサンブル「プティ・ヴィオロン」の演奏会です。
2014年11月に旗揚げ公演として、同世代の古楽の学生でパーセルのオペラ「ダイドーとエネアス」を上演しました。
学生だけで公演をするのは様々な困難がありましたが、その苦労や楽しみはある種青春と言っても過言ではなく(笑)、とても良い思い出になりました。
そして昨年2月にはバロックダンスとコラボということで、ガンプラやリュリなどの、ダンス、歌、器楽の総合芸術といえるオペラ・バレを上演。
それから1年経って、今度はフランスの宗教音楽を、残響7秒(!!)という、東京カテドラル聖マリア大聖堂で演奏致します。
今回は、独唱や合唱に第一線で活躍中のベテランの方々を迎え、(私含め)メンバーの一部は卒業して学生ではなくなり、もはや学生アンサンブルとは言えなくなっています。成長したメンバーと再会するのがとても楽しみです。
リュリが開拓し、定型化したフランスの当時のオーケストラや合唱は、全部で5声のパートに分かれます。
各パートには、上からDessus(デュシゥ)、 Haute-contre(オートコントル)、Taille(ターユ)、Quinte(クヮント)、Basse(バス)と、フランス独自の名前がついています。
現代では、ヴァイオリンがDessusを、Haute-contre、Taille、Quinteをヴィオラが、Basseをチェロが担当することがほとんどですが、当時は実はヴァイオリンやヴィオラと呼ばれる楽器ではなく、Dessus de violon、Haute-contre de violon、Taille de violon、Quinte de violon、Basse de violonとそれぞれ違う種類の楽器がありました。
とはいえこれらは実際には、ほとんどいわゆるヴァイオリンやヴィオラと同じ楽器なのですが、パートによってそれぞれ微妙にサイズが違います。今回の公演では、日本ではまだとても珍しいHaute-contre de violonを使用します!少し小さめのヴィオラといった感じでしょうか。
この5声のオーケストラは、通常の4声のバロック・オーケストラより内声が厚く、それはそれは重厚な響きがします!
それを是非体感して頂きたいです!ちなみにスコアはこんな感じ。
各パート、全て音部記号が違いますね!
一番上、Dessusのパートは、普通のト音記号に見えますが、よくよく見ると一番下の線がGを示すト音記号です。これは、「フレンチヴァイオリン記号」とか「フレンチ・クレフ」と呼ばれる記号で、フランスのフラウト・トラヴェルソやヴァイオリンの作品にも登場します。
内声3つは、ハ音記号ですが、Haute-contreは一番下の線がC、Tailleは下から2番目の線がC、Quinteは真ん中の線がCです。
Basseは普通のバスのヘ音記号と一緒ですね。
通奏低音は、 どのパートが何の音を弾いているのか完全に把握している必要があるので、これを縦に瞬時に読むのは少し大変です。
プティ・ヴィオロンでは基本的に当時の楽譜を使うので、この楽譜が配布されるとまたプティ・ヴィオロンのシーズンが来たなぁと身が引き締まります。
この弦楽器に加え、適宜バロック・オーボエ、リコーダーが、そしてバスにはバロック・ファゴットが加わります。
独唱、合唱、器楽がこれだけ揃って(しかも東京一大きなカトリックの大聖堂で!)演奏会をするのは、私たち演奏者にとってもとてもスペシャルな機会です!
ぜひ多くの方に聴いて頂きたいです!
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古楽アンサンブル「プティ・ヴィオロン」
麗しのグラン・モテ
〜フランス・バロックの宗教曲〜
2016/03/15(火) 19:30 開演(19:00 開場)
東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂
「江戸川橋駅」(出口1a)より徒歩15分
JR山手線目白駅より(都営バス 白61系統 “新宿駅西口行き”)
JR山手線新宿駅より(都営バス 白61系統 “練馬車庫前行き”)
※どちらも「ホテル椿山荘東京前」下車徒歩1分
アンリ・デュ・モン
グラン・モテ「わが魂よ、主を讃えよ」 詩篇102(103)番
フランソワ・クープラン
「1声と2声のルソン・ド・テネブレ」より「聖水曜日のための第一ルソン」
マルク=アントワーヌ・シャルパンティエ
司教叙階式のための序曲 H. 536
ミシェル=リシャール・ド・ラランド
グラン・モテ「われ主に感謝せん」(第1稿) 詩編110(111)番 S.56/i
[出演]
指揮:佐藤駿太
独唱:鏑木綾、金沢青児、富本泰成、櫻井元希、春日保人
合唱:神山直子、菊地薫音、小林恵、眞弓創一、輿石まりあ、小沼俊太郎、高久桂、小池優介、花井哲郎
プティ・ヴィオロン
リコーダー:菅沼起一、大塚照道
オーボエ:荒井豪、小花恭佳
ファゴット:守屋有紀
ヴァイオリン、ヴィオラ:出口実祈、阪永珠水、宮崎美里、石井弓奈、佐々木梨花、天野寿彦
チェロ:山田慧、松本亜優
通奏低音:石川友香理(Org)、折口未桜(VdG)、上田朝子(lute)
音楽助監督:村上惇
17世紀から18世紀のいわゆるバロック時代、フランスでは太陽王ルイ14世に代表される絶対王政の下、豪華絢爛な宮廷文化が花開いていました。その中で育まれた音楽もまた、作曲家ジャン=バティスト・リュリを始めとしたヴェルサイユ楽派として独特の世界を作り上げています。今回はこうしたバロック時代のフランス音楽の中でも注目すべき、教会音楽に焦点を当てました。良く知られているJ.S.バッハの教会カンタータに近い、「グラン・モテ」と呼ばれる合唱と管弦楽の宗教曲には巨匠アンリ・デュ・モンとド・ラランドの2曲を、併せてクープランの名高いルソン・ド・テネブルとシャルパンティエの序曲も演奏いたします。壮麗な響きの空間で、フランス・バロックの宗教曲に耳を傾けてみませんか・・・。
[入場料]
前売:一般3000円(学生2500円)
当日:一般3500円(学生3000円)
[チケット購入方法]
TiGET https://t.co/uglNNYONx5
(株)ギタルラ社・東京古典楽器センター http://www.guitarra.co.jp/
プティ・ヴィオロン事務局 petits.violons.baroque@gmail.com
090-4531-1953(上田)
[お問い合わせ]
メールアドレス:petits.violons.baroque@gmail.com
電話番号:090-4531-1953(上田)
ホームページ:http://petitsviolonsbaroq.wix.com/index#!concert/c1z4f