昨日は、フラウト・トラヴェルソの相川郁子さんと二人で、オール・フランスバロックのコンサートをしてきました!
実は、器楽のソナタを一人でテオルボ一本で通奏低音するのがとても好きで、特にフランスバロックはそれが活きる気がして、ライフワークにしたいと思っています。
半ば意地のようなものもあるし、そんなに苦労してやらなくても他の楽器を入れればいいじゃないとも言われるのですが、やっぱり旋律とサシで、隣で一緒に、時には鬩ぎ合って音楽を作るのはとても楽しいです。
トラヴェルソは音のシェイプが綺麗につくし、郁子さんは噛めば噛むほど味が出るようなとってもふくよかで色彩に富む音色だったので、それと対等にどう弾くか、大きな課題でした。
ただでさえバスと和音を弾くだけでも大変なのですが、それだけで終わってしまうと、テオルボ一本でやる意義があまりないので、バスのアーティキュレーションのつけ方や音のシェイプのつけ方を追究しました。
今回は15席というとっても親密な空間で演奏できたのも貴重な体験でした。
会場によってテンポや弾き方も変わると思うのですが、今回は特にそれを意識して、このような場でないとできない表現を目指してみました!
トラヴェルソもリュートも、繊細な方にレンジが広げやすい楽器だと思うので、こういう会場でそれを探求できたのも良かったです!
私のテオルボは、実はフランスの様式のソロ用の小さめのテオルボなのでこういうものに適しているなぁと嬉しく思いました。
また一段とテオルボが好きになりました。
また、今回は郁子さんがオトテールのモデルのトラヴェルソを吹きたい!とのことで、ピッチはA=388に!
テオルボも太めの弦に張り替えてピッチを変えてみたら響きが全然変わって、とても好みでした。ずっとこのピッチにしていたい…。
本番は、なんだかとにかく楽しくて、やはり好きな曲を、ずっとやりたかった編成でできた喜びが大きかったです!
お客さまと近い距離で、もっと緊張するかと思ったけれど、とても暖かい雰囲気で聴いてくださったので心地よく演奏できました。
今回のようなフランスバロックの小さい編成の曲は、現代でコンサートホールで2時間のコンサートとして聴くような音楽ではなく、きっと王様や貴族たちが集まって聴いたと思うので、近いことができたかなぁと思います。
今度は蝋燭の灯りだけで演奏してみたい!
今回、譜面台ではなく机に楽譜を置いて演奏したのは、譜面台を忘れたからではなく、絵画でよく見る雰囲気を真似したかったからです!(笑)。
今回は限定15席という会場で、来られなかったお客さまも多かったので、また2月末に再演することにしました!
本当に私のライフワークの一つにしたい演奏の形なので、また聴いて頂きたいです。詳細が決まり次第お知らせさせて頂きます!
…と、バロック時代のフランスの音楽を楽しんでいた翌朝に、パリでの事件を知ってとてもショックです…。